調査について

データベースについて

 本データベースは東北大学災害科学国際研究所の共同研究によって作成されています。作成に於いては、石碑の表面に刻まれた碑文を判読できる画像を提供することで、第三者による判読や誤読の検証を可能にし、石碑画像そのものの資料的価値を高めることを目的としています。
津波の教訓を刻んだ津波碑の活用方法については既に多くの研究が始まっており、有用な手法も多くあります。また、津波以外にも洪水・噴火・台風など災害の記憶を伝承する石碑「自然災害伝承碑」は各地に点在しています。本データベースは、風化が免れない碑文の判読可能な画像での保存・公開を通して、自然災害伝承碑に刻まれた碑文の防災・減災へ活用を目指します。その為にも、今後、データベース内の碑文画像は順次追加する予定です。

ひかり拓本について

ひかり拓本の撮影風景
▲ 埼玉県所沢市の復興碑

 日本各地に存在する石碑は恒常的に風化作用を受け続け、表面に刻まれた文字情報は減衰し続けています。結果、単純な撮影画像では碑文の判読が難しくなります。本調査で使用している手法は、独自の画像処理技術「ひかり拓本」を用いて、非接触・非汚損で紙本拓本と同程度の文字情報を短時間に作成・保存できます。この手法では、一般的な撮影機材(タブレットやデジタルカメラ、三脚)を使用し、専門知識・技能がなくとも簡単に拓本画像が作成できます。

作成・撮影者

作成・撮影者「上椙英之 」 氏名:上椙英之
現職:国立文化財機構/奈良文化財研究所
研究テーマ:
◆ 石碑の復元・活用
・石造物の研究・防災・観光など様々な分野での資源化
・碑文のビッグデータの構築
◆ 中近世過渡期の伊勢神宮史
・伊勢神宮の勧進聖
・「慶光院」の勧進
◆ 画像処理
・ひかり拓本の開発
・市民参加型調査によるアーカイブ構築

東北大学共同研究者

作成・撮影者「上椙英之 」氏名:蝦名裕一
現職:東北大学 災害科学国際研究所 准教授
研究テーマ:
◆ 歴史災害研究
1611年慶長奥州地震津波、1804年象潟地震津波、1854年安政東海・南海地震津波など
◆ 藩政史研究
・一関藩・岩沼藩(仙台藩の支藩)の成立、伊達騒動、第2の伊達騒動 ・盛岡藩における儒学の受容、「新法」事件
◆ 「明君」研究
◆ 「大名評判記」と4代藩主伊達綱村の「明君」志向
◆ 歴史資料や文化財の保存手法の研究

外部共同研究者

氏名:多仁照廣氏名:多仁照廣
現職:若狭路文化研究所 所長
研究テーマ:
若連中・青年団の神社奉納物研究 若連中・青年団と災害碑研究 古文書修復とデジタルデータ化

■ 共同研究

東北大学 災害科学国際研究所 研究所のリソースを活用した共同研究
タイトル:判読可能な津波石碑碑文画像の取得

東京大学 地震研究所 共同利用 地震・火山噴火の解明と予測に関する公募研究
タイトル:みんなで拓本ー地震・津波・火山噴火伝承碑のデジタル収集と解読ー

東京大学 史料編纂所 一般共同研究
タイトル:画像解析技術に基づく石造遺物研究資源化に向けた調査研究

■ 科学研究費補助金

タイトル:災害碑アーカイブ構築を目的とした市民参加型調査の実践
基盤研究(B) 代表 19H01363 2019-04-01 – 2022-03-31

タイトル:風化金石文復元の為の用例辞書及び文字予測データベースの開発
若手研究(B) 代表 16K21522 2016-04-01 – 2019-03-31

タイトル:災害伝承を活用した災害復興と持続可能性に関する研究
基盤研究(C) 分担 17K01280 2017-04-01 – 2020-03-31

お問い合わせ

代表:上椙 英之(Hideyuki UESUGI)
奈良文化財研究所
所在地:〒630-8577 奈良県奈良市二条町2丁目9−1
E-mail:uesugi-h8m at nich.go.jp