碑名:家譜

資料概要

【碑銘】
家譜
【建立年】
明治35.6
【施主】
【施主分類】
【建立場所】
長林寺
【対象災害】
明治津波
【大きさ】
【タグ】

碑文面

  • 【表】遠祖村上長衛門は本県江刺郡岩谷堂町の生にして魚商を業として本郡沿岸に来往せしが、本村野之前即ち既往の地の利あるを知り遂に居をここに卜し、商のほか漁業を営み、もって産を積み家を興し創業の功を成就す。第二世善次郎、第三世善三郎、第四世善五郎、第五世善太郎、皆よく父祖の偉業を継承して家政を維持す。第六世己之作、天資英邁果断、商機を察すこと敏にして、成す家産ために富み資財よって裕なり。家屋を新築し倉庫等も増築施設するやすこぶる多く、名声遠近に知らる時に明治二十九年六月十五日午後八時半頃、千載記憶を消するあたわざるの大惨害三陸沿岸の大海嘯は実に当地中心点にて数十丈の激涛激涛陸を呑む三回。該家も不幸にしてその狂洸渦中に葬むらる。家屋器財と共に家族十有七人流亡し、生存せるは独り、当第七世己之作のみ。惨もまた極まれりと謂うべし。昔慶長五年の大海嘯の被害ありと仙台文庫に伝ふ。ああそれなんぞ無情なるや、魚辜の民苦しむるの酷なるや、これ第七世己之作家族の死を悼み、かつ先祖の名霊を吊祭せむと、これを石に刻し先考と旧知ありよりて不肖と言えども需に応じ、これを誌す。【戒名、享年の記載】

  • 【裏】-

地点概要

【所在地】岩手県大船渡市三陸町綾里字岩崎
【地点備考】

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